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美容サロン開店までのスケジュールを立てる美容サロン開店までのスケジュールを立てる

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ご挨拶

第二回目ではサロンをオープンさせるまでのスケジュールの立て方について説明します。
店舗の不動産契約を結んで店舗を借りた瞬間家賃が発生します。
店舗を借りてからオープンまでの日数が少なければ少ないほど、経費を抑えることができます。
また、せっかくオープンしたのにお客さんに来店してもらわないことには売上が発生しません。
オープン後いち早くお客さんに来店してもらうための集客もスケジュールに組み込む重要課題です。
スケジュールには工事をする業者さんや、電力会社、電話会社などさまざまな第三者が関わります。
スケジュール調整をしっかりすることができなければ、大きな問題になりますのでしっかりとスケジュールを立てることが大切です。

なぜ、店舗を決めてからスケジュールを立てるのか?逆じゃないのか?

店舗を決めてスケジュール作成

お店をオープンする場合、まずスケジュールを立てて、そのスケジュールに則って行動します。
では、なぜこのコラムでは第一回で店舗探しについて書いたかということについてお話しします。

このコラムは「はじめての美容サロン開業マニュアル」です。
「はじめての」です。
はじめての店舗探し、はじめての広告会社探し、はじめてのetcと、はじめて続きです。
その中で最も困難で最初にしなければならないのが店舗探しです。
予算などの理想とギャップが発生し、いろいろと妥協しないといけない場合が多いです。
店舗が決まらないとスケジュールの次のステップに進めません。
店舗が決まらないために、スケジュールを都度調整することになります。
そのため、まず店舗を決めたのちスケジュールを立てることをオススメしています。

スケジュールに必要な項目

スケジュールに必要な項目

スケジュールを作成するにあたって必要な項目をピックアップしました。
状況によって内容が少し変わるかと思いますが、スケジュールの項目のベースに役立つと思います。

  • 不動産契約締結
  • 店舗賃貸開始
  • 電力会社契約
  • 水道契約
  • ガス契約
  • 電話契約、インターネット契約
  • 施工業者選定
  • 施工期間
  • 什器備品搬入
  • 集客広告
  • 集客活動(ブログ等)
  • ショップカード、リーフレット等印刷物作成
  • ホームページ制作業者選定
  • ホームページ制作
  • 仕入れ業者選定
  • スタッフ募集
  • 税務関係手続き
  • 労務関係手続き
  • 店舗保険加入
  • 補助金制度確認
  • 資金調達(銀行借り入れ等)

この中で注意が必要な項目がいくつかあります。
「施工期間」「什器備品搬入」は最重要です。

「施工期間」は施工業者さんの都合で遅延する可能性があります。
「什器備品搬入」については配送業者さんの都合や不在時の配達などの遅延リスクがあります。

ひとつのスケジュールの遅れがさまざまなスケジュールに影響を及ぼします。
施工期間が遅延した場合、什器や備品を配置できないという状況が発生します。
最悪の場合、什器や備品の搬入ができない状況です。
運送会社は荷物を持ちかえるわけにはいかないので一時的にどこかに置いておかなければなりません。
その置き場はどうするか?
一時的な置き場から、店舗に移動するにはどうするか?
などその他の問題を発生させます。

電気や水道は基本的に入居後すぐに使えますのでこのような心配は無い場合が多いです。

スケジュールは自分用、業者用の2種類作る

スケジュールは2種類

スケジュールは2種類(2パターン)作るようにしましょう。
1つは当然自分用です。
そしてもう一つは、業者さん用です。
業者さん用のスケジュールは少しタイトなスケジュールにしておきましょう。
備品を購入する場合でも、スケジュールを見せて「この日のオープンするにあたり、いつまでに無ければいけない」というように 交渉をすると、商品の手配を急いでくれます。
これは広告会社などさまざまな相手に対して役立つ手法です。
また、実際にスケジュールを見せられない場面でも、「オープン日が決まっていてこの日までに必ず必要」という 交渉の仕方をすると、業者さんも最善を尽くしてくれるケースが多いです。

スケジュールには多少の予備期間を設けておく必要があります。
4月1日にオープンが確定している場合、すべての準備が3月25日ごろまでに終わるようにしましょう。
万が一の遅れが発生しても予備期間の5日でカバーすることができます。
もし、3月25日より早くすべての準備が整った場合、プレオープンとしてオープン日を早くして 4月1日をグランドオープンと位置付ければよいです。

工事、施工業者さんとのスケジュール調整のコツ

工事、施工業者さんとのスケジュール調整のコツ

前の章でお伝えしたように、スケジュールの見せ方がポイントになります。
規模の大きな工務店さんにお仕事をお願いすることができればいいのですが、費用も高いので小規模の工事業者、施工業者を 選定することになると思います。

そして、規模が小さい業者さんの場合、いろいろな事情で工事のスケジュールがずれる可能性があります。
ごく稀なケースですが、このように工事の日程がずれてしまうとさまざまな日程に影響がでます。
そのため、工事業者さんにはスケジュールを厳守してもらう必要があります。

スケジュールを見せて、「この日までに店内設備が搬入されるので、床の工事はこの日までに必ず終わらせておいてください。」
「この日には壁にオブジェを取り付ける家具屋さんが来るので、クロスの張り替えは必ず終わらせておいてください。」
というように伝えておきましょう。

会話のシミュレーションをしてみます。

床の工事はどのぐらいで終わりますか?
そーですねぇ、元のカーペットをはがしてタイルを貼るので3日ほどかかりますね。
どうにか2日でできないでしょうか。じつは3日目に重い什器が搬入されるのでそれまでに床を仕上げておかないといけなくて。無理言ってすみません。
そういう事情ならしょうがないですね。職人増やして2日で対応させます。
ありがとうございます。

天井の電気工事はどのぐらいかかりますでしょうか。
床と壁の工事が終わらないとコンセントを設置できない関係もあるから5日ぐらいかな。
実はシャンデリアを購入したお店が設置をしてくれるのですが、それが4日目なんですよ。天井の電気配線だけでも早めにできませんか?
うーん。電気工事は一気にやった方が効率がいいので天井と壁の工事も職人増やして急いでどうにか間に合わせますよ。
ありがとうございます。

尚、工事がすべて終わってから、備品の搬入と考えていてはスケジュールがどんどん伸びてしまいます。
床の工事が終われば搬入は可能です。
搬入後はビニールで養生してもらい、ホコリや汚れが付かないように工事業者さんにお願いしておくといいでしょう。
無論、その程度でしたら追加料金なしで対応していただけます。
この時点であなた自身は備品の下見などに追われていると思います。
その間にもお店にはいろいろな商品が届きます。
工事業者さんに受け取りをお願いしておきましょう。
折り畳み可能で手軽に扱える収納ボックスを用意しておき、小さな小物の届け物はこちらに入れてもらうように業者さんにお願いしてもよいでしょう。
丁寧にお願いすれば快く引き受けてくれます。

会話のシミュレーションをしてみます。

工事作業中のお願いがひとつだけあるのですが。
なんでしょう?
お店に郵便物や届け物が届くと思うので受け取っておいてもらえますでしょうか。
フタつきのボックスを用意しますので、その中に入れておいていただけるだけで十分ですので。
本来、私がお店にいて受け取りたいのですが、工事の邪魔になりますし備品の購入などで外出続きで。スミマセン。
それぐらいだったら全然問題ないですよ。
ありがとうございます!感謝します。

次回以降に詳しくお伝えしますが、工事業者さんとはじっくり打ち合わせをしておくことをオススメします。
各業界ごとの独自の考えや風習があります。
こちらが当然と思っていることがそうで無かったりします。

例えば、工事にあたりビルの中で大きな音が出るとします。
工事をお願いする側はそういうことはわかりませんよね。
ビルの中で大きな音を鳴らす場合、事前に管理会社に申請をしておき、場合によっては上下階のテナントに挨拶に行く必要があります。
ただ、大きな音が発生する工事であってもそれをすべての工事業者さんが告知してくれるわけではありません。
工事業者さんとしては、「工事するから事前に管理会社に許可をとるのが当然」と考えています。
このような点を確認しないと音を出す工事を事前に申請してなかったため延期になるなどでスケジュールに影響がでます。

会話のシミュレーションをしてみます。

工事の日程や流れについては概ねわかりました。
それはよかったです。
大きな音が出る工事とか事前に管理会社に連絡したり周辺のテナントに連絡することってありますか。
こういう工事をお願いするのは初めてなので初歩的なことでもわからない部分があるのでプロの目から見てアドバイスいただけたらうれしいです。

そうねぇ、まずビルの管理会社にいつからいつ工事ってことを伝えるのと、工事する時間も伝えた方がいいね。
初日は資材を運搬するからビルの前に8時ぐらいに車を横付けするからそのことも断ってた方がいいですね。
エレベーターで資材を運ぶのですが、養生はしますけどホコリとか落ちたりするんですよ。もちろん最後に掃除しますけどね。そういうことも伝えておいた方がいいですね。
音が出る工事は5日の内1日だけなんだけどビルによっては音を出したらいけない時間があるから事前に管理会社に聞いておいた方がいいかもね。
いろいろと勉強になります。ありがとうございます。

工事、施工業者さんと仲良くすることはとても大切です。
施工後なにか不具合があった場合でも快く対応してもらえるかどうかが変わります。
効率のよいスケジュールを組むためには業者さんの協力は欠かせないものだと覚えてください。

スケジュールからみた什器、備品の購入のポイント

什器、備品の購入のポイント

ソファーを購入したけど、ドアを通らなかった、エレベーターに入らなかった、階段を通らなかったと いうような話をよく聞きます。

運送会社の契約で、建物の下までしか運べないことになっているという話もあります。

店内設備を購入する際は、サイズについて慎重に選びましょう。
ドアのサイズを測る場合、ドアを開けた時にできるスキマをしっかり図りましょう。
ドアの幅が70cmだったとしても、ドアを開けた時にスキマが67cmしかできないというような状況はよくあります。

これもスケジュールに大きく関わってきます。
什器や設備の搬入の順番も計画通り進めないと、「この設備が入っていないのでこの機材の設置ができない」という状況が発生してしまいます。

什器についてはいろいろなお店がありますが、ビューティーガレージが有名です。
ショールームも全国にあります。

今回はまつげエクステサロンを題材にしておりますので、まつげエクステの商材の販売店についてもご紹介いたします。
多くの会社があるのですが、はまざきが有名です。

制服も重要です。
制服やエプロンにお店のロゴや刺繍を入れるだけでグッと高級感が増します。
東京ユニフォームではロゴや刺繍を入れられる美容サロン用のユニフォームを取り扱っています。

商品によっては在庫が無い場合などもあります。
カタログやショールームで目を付けた商品を購入する前提でいたのに、いざ購入しようとしたら在庫が無かったというケースもあります。
また、地方の工場に在庫があるので発送まで時間がかかるといったケースもあります。
こういった数日の違いが重なるとどんどんスケジュールがずれてしまいます。
気になる商品があれば、電話やショールームで在庫確認や発送日数確認をしましょう。
「業者さん用スケジュール」を見せて、急いでいる旨をアピールするのもよいと思います。

サロン内の内装同様、什器や機材、各種備品などはこだわりポイントだと思います。
自分の念願のサロン。
自分好みにコーディネートしたいと思います。
しかし、入荷に何ヶ月もかかる商品を購入するわけにはいきません。
こだわりが強い場合は、テナント探し同様スケジュールを作成する前に欲しい商品の目星をつけておくとよいでしょう。
ただし、商品の入れ替わりは想像以上に早いです。

スケジュール厳守は、経費削減のためにとても重要です。
自分自身のこだわりとスケジュールとのバランスを考えることが大切です。

オープン前に集客するためのテクニック

オープン前に集客するためのテクニック

経費を抑えるために過密スケジュールでオープンを急いだとしてもお客さんに来店してもらわないと意味がありません。
そのために集客が重要になります。
ホットペッパーに代表されるクーポンサイトフリーペーパーグルーポンに代表されるフラッシュマーケティング、ホームページやブログ、Facebookなど さまざまな集客方法や媒体があります。

費用がかかるもの、かからないものなどありますが、それはまた別の機会にふれます。
スケジュールから逆算すると、広告媒体を使う場合、2ヵ月前より準備をする必要があります。
広告出稿の1ヵ月前ごろが原稿の締め切りになります。
そして、オープンする店の広告の場合、店内写真などの情報が不足します。
広告会社の方との打ち合わせの時間を念入りに取る必要があります。

ブログであったらアメブロに代表される無料ブログ、その他Facebookなどは自分のペースですぐに始められますが 始めたからと言ってすぐに集客できるものでもありません。
もちろん、積み重ねは大切なのでこれらも集客の一環としてスケジュールに組み込み、取り組むことは大切です。

しかし、オープン直後から確実に集客ができるのはホットペッパーやグルーポンなどの広告媒体です。
グルーポンに至っては初期費用無しで情報を掲載できるので初期費用を節約したい場合、オススメです。

まとめ

まとめ

今回の話は「まつげエクステサロン」だけでなく、「ネイルサロン」「エステサロン」「美容室」は元より、飲食店でもアパレルショップであっても同じことが言えると思います。
はじめての店舗の立ち上げは一人ですることが多く、協力者は多ければ多いほどいいです。
テナントを契約する不動産会社さんとも仲良くしておくとお客さんを紹介してくれたりします。
例えば、ネイルサロンの場合、不動産会社の男性営業マンは行かないとしても自分の奥さんや女性友達を紹介してくれる可能性があります。

また、スケジュールをうまく組み立てるためには多くの方の協力が必要です。
スケジュールの交渉をする際も、相手方にイヤな印象を与えずに交渉するのが大切ですね。
この交渉、簡単そうで難しいですね。
このような交渉術についてもいずれ取り上げたいと思います。

今回も重点的に取り上げた工事、施工業者さんとのやり取りですが、第三回では相場感が分かりにくい工事費用の考え方と、コストを抑えるテクニックについてお伝えしたいと思います。


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