制電加工とは

制電加工とは、衣服の摩擦で発生する静電気を防止する加工のことです。制電加工を施すことで、ほこりの付着や衣服のまとわりつきを減らし、快適に動くことができます。

制電加工は、含有水分の少ない合成繊維の製品に静電気が発生しやすくなるため、行われます。制電加工は表面加工のため、制電効果は永久的ではなく、静電気防止スプレーなどで再加工する必要があります。

制電加工は、インナー、スーツの裏地、コート、寝装具などに広く使われています。


制電と帯電の違い

・「制電加工」は静電気が原因で引き起こされる問題を減らすために、物質や表面から静電気を取り除くことです。
・「帯電防止」は静電気が発生すること自体を防止することを意味します。

制電に関する規格について

制電や帯電防止の基準としてIEC規格やJIS規格が定められています。 特定の職場によっては、JIS T8118規格に適合する作業服を着用することが義務付けられている場合もあります。

制電(IEC61340-5-1)

国際電気標準会議(IEC)が制定した国際規格です。この規格は、ワークウェアなどの静電気管理衣服に関する要求事項を規定しています。
IEC61340-5-1では、静電気管理衣服の表面抵抗値が1.0×10の12乗(Ω)以下であることが求められています。静電気管理衣服として静電気対策資材登録を受けるためには、公的機関により縫い目を跨いだ表面抵抗値の測定を行うなどにより、IEC61340-5-1の要求事項を満たすことの確認が必要となります。

帯電防止(JIS T8118)

日本産業標準調査会(JISC)が定めた「静電気帯電防止作業服」の規格です。この規格は、作業服の静電気帯電によって発生する災害や障害などを防止するために、生地に金属やカーボンなどの帯電防止編織物を使用して縫製した作業服について規定されています。




< 用語集一覧へもどる