ウイングカラーとは

名前(ウイングwing)の通り、襟の先端を鳥の翼の様に小さく折り返したシャツです。
襟が首周り全体を包む様に立ち上がって、襟先だけが前に折り返される仕様になっています。
立ち上がった襟であることから、「襟高」「立襟」シャツと呼ばれる事もあります。

ウイングカラーシャツの種類

ウィングカラーシャツは、大きく分けて以下の3種類があります。


イカ胸

胸の部分に「よだれかけ」の様な、芯の入った素材で胸当てが縫い合わされたタイプです。 正面から見ると、首の幅よりも若干大きめの巾で、シャツの上から首の後ろで結び、前に垂らした感じのデザインになっている形状になっています。これを「するめ」「いか」と携わるプロ達が呼んだことから、「イカ胸」という名前が定着しました。

胸の別素材は単なる装飾ではなく、勲章をガッチリ付けるのに適したアイテムとして誕生したルーツがあります。そのため、特にオフィシャルでフォーマルな場面での着用に適しています。

主に使われるのは、夜の時間帯の礼装用です。

燕尾服着用なら「イカ胸」タイプのウィングカラーシャツを選択してください。


ヒダ胸

首よりもやや大きめの巾で、胸に1cm弱のプリーツが外に開くように並んでいるタイプのウィングカラーシャツです。

イカ胸と比較すれば、ヒダ胸は目にする機会が多いウィングカラーシャツですね。

モーニングやタキシード等に着用される礼装品で、朝から夜まで装着する時間帯を選びません。 余談ですが、タキシードはアメリカの呼び方です。イギリスではディナージャケットと呼ばれています。


プレーン

最もオーソドックスなウィングカラーシャツです。 通常のシャツに仕様が近く、ボタンを隠す比翼が付いていたり、ポケットが無かったりする違いはありますが、襟の形以外は大きな違いがありません。

ゲストで出席する結婚式に略礼装でのウィングカラーシャツは、このタイプがオススメで、ダークスーツに蝶ネクタイをするコーデにも使い回しが効きます。

礼装のルールやマナーは時代と共に変化しますが、基本にあるのは中世ヨーロッパの支配階級・貴族社会で育まれたものが一般化したものです。

ボタンを隠したりポケットを付けたりしないのは、フォーマルな場面では決められたもの以外は極力装飾をしない、という考え方が根底あるからです。

シャツは下着扱いで、下着のボタンを見せる事は避けたい事から、スタッズボタン(正式にはスタッドボタン)と呼ばれる、ボタンを隠すアクセサリーもあります。

袖口はダブルカフスになっている場合が多いです。 袖口を折り返して二重になっている仕様で、カフスボタン(正式にはカフスリンクス)を通す穴が開いていて、カフスボタンを通して固定します。カフスリンクスにも使用ルールがあります。(後述します)



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